カリカリ怒りながら帰って来た長男。
長男 「Rムカつく!今日レクでドッチボールやったんだけど、俺がボール取ったのに他の人にもボールを渡せとか言ってきて」
母 「他の人の前まで無理やり取りに行ってるんじゃないの? 」
長男 「行ってないよ。後ろに飛んで行ったやつを取りに行ってるだけだよ 」
母 「外野の話?」
長男 「そう!俺のとこに来たのを取って投げようとしても『まだ投げてない人がいるんだからそういう人にパスしろ 』っていうんだよ」
母 「まあレクレーションでやってるならみんなボール触れた方がいいからねえ。」
Rくんもドッチボールは強くて休み時間にはかなり活躍している。
そのRくんが言うのだから、何か理由があるはず。
母 「それってレク係がそう決めてるわけ?投げてない人に投げさせるとか」
長男 「うんそう。でも内野にいて余裕がある時なら渡すけど、外野にいたら当てないと中入れないから自分で投げたい」
母 「確かに当てないと中入れないけど、そういうルールをレク係が決めてやってるならとりあえず投げてない人に投げさせてあげてから次投げればいいじゃん」
長男 「何人もいるからみんなにパスしてたらなかなか投げられない!」
母 「そうだけど、試合じゃなくて楽しむためのレクレーションだからね?で、どうしたの?」
長男 「渡すんだったら敵に渡した方がましだって言った 。敵に渡せばまたその敵が投げて、飛んできたボールを取ってなかった子が自分でとればいいわけだし」
意味が分からない・・・
母 「敵に渡すとあんたのチームが勝てるわけ?意味わからないよね?それで敵に渡したわけ?」
長男 「そのまま投げた」
各学童対抗のドッチボール大会や町のドッチボール大会など、本気のドッチボール大会にも出るくらいドッチボールが好きで本気だから気持ちは分かる。
でもこれは授業中にするレクレーションのドッチボールだ。
レク係が考えて決めた内容なのだから従うのは当然。
でも長男にはその切り替えができない。
自分は強いから自分ばっかりが投げれば勝てるし、それでいいんじゃないかと思っている。
母 「レクレーションだから弱い子も全員やらなくちゃいけないのに、強い子たちだけ投げ合ってて、弱い子はボール触れられなかったらつまらないと思わない?レクなんだからみんな楽しめるようにしないと。」
長男 「他の子にボール渡してたらオレがつまらない」
そりゃ誰かは不満が残るかもしれないけど、できるだけ大勢が楽しめる方法を取るのが社会ってもんだ。
みんな楽しめるようにっていうなら俺も楽しめなかったらみんなじゃないじゃん!っていう感じなんだろうなあ。
でもとりあえず、レク係が決めたルールには従うようにということで頭では理解してくれたようだ。
休み時間とかに好きな子同士でする時に本気でやればいいんだよと伝えて。
するとこんなことを言い出した。
長男 「こないだ休み時間もRひどかったんだよ。ボールは先に取った人が好きに使っていいのに、俺がキャッチボールしてたら『ドッチボールしようぜ』って無理やり取ってったんだよ!」
母 「無理やりとるのはいけないね。ボールって一個しかないの?」
長男 「一個しかない。最初に持ってた人が何するか決めていいんだよ」
母 「でもいつもそのボールでドッチボールしてたよね?いくら最初にとったとしても、当たり前のように休み時間になると大勢でドッチボールしてたのにいきなりキャッチボールに使うって言ったらみんな嫌なんじゃないの?」
長男 「でも俺はキャッチボールをしたかった。最初に取った人が決めていいんだから。キャッチボールをすればドッチボールで当てる練習にもなるし」
母 「じゃあみんなで練習のためにキャッチボールしようよって言えばいいじゃん 」
長男 「だって入れてとか言われてないし。ヤダって言ってるのに無理やり取ってった」
母 「ヤダじゃなくて、ちゃんと説明すればいいでしょ?」
長男 「オレが先に持ってたんだからオレが決められるんだから、入れてっていうのが当たり前じゃん!」
母 「確かにあんたはルールを守ってるけど、空気を読まなきゃダメだよ、苦手かも知れないけど。空気を読むって分かるよね?もう毎回ドッチボールするのが当たり前になっているんだから、違うことをしたくても我慢して周りに合わせるとか、キャッチボールしたいならみんなに相談してみるとか。いきなり普段と違う行動でみんなの嫌がることをしてたら、いくら間違ったことしてないとしても嫌われるよ? 」
長男 「うん。でも我慢してたらいつまでたってもできないし 」
母 「個人でのキャッチボールとかは休みの日とかにすればいいじゃん。児童館でとか。学校では大勢でできることをした方がいいよ」
長男 「一緒にキャッチボールした子とは休みが合わないし」
母 「それは仕方ないよ。だからどうしてもしたかったら、相談してみたらいいじゃん 」
長男 「Rとはキャッチボールしたくないし!」
長男は間違ってはいない。
先にボールを持ってる人が何をするか決められるというクラスのルールがあるのなら。
でも、今まで長男も含めて休み時間のたびにそのボールを使って大勢でドッチボールをしていた。
なのにいきなり勝手に個人でキャッチボールに使っていたら周りは嫌な気分になるだろう。
無理やり奪う子も悪いけど、無理やりとられてなかったらドッチボールをしようと思って出てきた多くの子から白い目で見られていたかもしれない。
そういう空気を読めるといいのだけれど、なかなか長男には難しい。
嫌われるとか全く気にしないから。
あまり人の顔色ばかりをうかがうのも困るが、もう少し周りの目を気にして動けたら敵を作らずに楽しく過ごせるのにと思う。
数日前、学童で残ったエクレアを班で一人だけもらえるということでじゃんけんをして勝ってもらいに行ったと言う。
で、席に戻ってきてから、さっきじゃんけんで負けた相手に半分分けてあげたという。
もともと半分のサイズだったので、それをさらに半分にしてあげたと。
たまにはそういう人の気持ちを考えた優しい行動もとれるから、全く何も考えずに自分勝手に動いているわけではない。
その時、「オレ『優しいね 』ってみんなに言われたよ (^^)」と喜んでいた。
自分の意思で自主的にやることはできるのかもしれない。
でも、何か言われてから譲るということは難しい。
自分から見て敵だと思う相手だとなおさらゆずることは難しい。
きっとボールを貸してほしいと言ったのが仲のいい女の子で、言い方がもっと甘えるようなお願いの仕方だったら貸したかも知れない。
でも相手が誰であろうと、ドッチボールをしたいのはその子だけではなく大勢だから、貸さないと大勢を敵に回すことになる。
その辺ももう少し考えて上手く立ち回れるといいんだけど・・・。