不注意行動が強い息子へ、実際におこなった対策と結果を紹介します。
参考書を参考にしながら行ってみました。
不注意行動への具体的な対策①
こんな汚い状態で宿題をします(4年生現在)。
帰ってくる前はこんなじゃないのに、宿題をやった後をみるとこうなってます。
それは物がどこにあるか分からなくなるだろうという感じです。
別の日にはこんな状態で平気で机に座って宿題をしてました。
宿題を探すときにこうなったのか。
なぜかパジャマまで教科書の上に乗っている・・・。
弟の邪魔になるから広げないようにとはたびたび言っていて、見ていないとこれです。
■問題点
・鉛筆でもノートでもすぐにどこかへ行ってしまう。
・引き出しに鉛筆を入れるところがあっても、鉛筆立てがあっても、全然違う引き出しに入れたり本にはさまってたりしてしまう。
⇒物をよくなくすため、何かをしようと思った時に取りかかりに時間がかかる。
■行った対策
●決まった二本の鉛筆と消しゴム1つだけを入れる入れ物を勉強机において、それだけを使うようにした。
●毎回そこにしまったことを親が言って確認させ、なかったらその日のうちに探させる。
■結果
●鉛筆や消しゴムをなくしにくくなった(時々はなくなる)。
●余分な数を置かないことで、なくなったことに気づきやすい。
●なくしてすぐ探させることでなくなってもすぐに見つかるようになった(声をかけないと探さないが)。
不注意行動への具体的な対策②
■問題点
「国語」だけ考えても、教科書、ノート、漢字ドリルなどそろえなければいけないものは多数。
ランドセルの中をみてこの中のどれかが足りていないと気が付くのは難しい。
明日の持ち物を準備する際、全部そろっているかランドセルの中を確認するのではなく、勉強机の棚に残っている教科書をみて入れ忘れがないか確認している様子。
けれども、帰ってきた時に教科書を正しい場所にしまわず、立てておくべき棚の隣の棚の方へ教科書をつっこんでしまう時がある。
⇒置き場にないのでランドセルに入っていると思い込み、教科書やノートを持って行くのを忘れる。
■行った対策
●勉強机の棚には学校で使う教科書以外の書類系はたてないようにした。
■結果
●勉強机の棚に冊子系があればそれは学校のものということになるので、見つけやすく忘れることが減った。
不注意行動への具体的な対策③
■問題点
帽子や給食セット、手紙を学校に忘れてくる。
■行った対策
●もう1セット用意した。
●先生に声掛けをお願いした(お願いしなくても声掛けしてくれる担任の時は忘れていなかった)。
●学童に迎えにいった時には、帰宅前に持って帰ってくるものを一緒に確認した。
●手紙は何枚かなど連絡帳に書いてあるので、学童に迎えに行った時に一緒に見て確認。
●ポイント制導入(⑤を参照)
■結果
●ポイント制のおかげか取りに行くのが面倒なのか、だいぶ忘れなくはなってきた。
●それでも忘れ物は続いている。
●仕方ないと思ってもうセット用意したり、帰る前に確認して取りに行かせることで、親がイライラして怒ったりする回数が減った。
「同じものを2セット用意し、なくしてもあわてなくていいようにする」 は参考書にも書いてあります。
学校などで使う物品(三角定規やコンパスなど)も同様です。
探させることも必要ですが、探し物をしているせいで勉強に集中できなくては元も子もありません。
学校では特に、まずは他の子と同じように勉強に取り組めることを最優先に考え、環境(道具を多めに用意など)を整える必要があります。(参考書より)
万が一忘れても大丈夫とした上で、できる限りなくしたり忘れたりしないようにしないよう頑張ってもらう感じです。
不注意行動への具体的な対策④
■問題点
怪我をしたりうっかり友達に怪我をさせてしまったりする
■行った対策
●3年生になるまで一人で外には出さず。
●振り回したりして危険な物は持たせない。
●頭を打った時は報告させる。こちらからも聞く。
■結果
●他の子からみるとちょっと遅いかなと思ったが、本人が事故にあったり、周りにけがさせたりしないことを考えて休日の一人での外出は3年生になるまでさせなかった。
ある程度成長したからか、今のところ事故を起こしたりすることなく過ごせている。
●一人で外に行くとやはり長い枝や、ごみ置き場のゴルフクラブなど危険な物を持ってしまっている。
でもけがはさせていない様子。
●年齢が上がっても自分の怪我は変わらない。
むしろ激しい遊びが増えるので怪我しやすくなったかも知れない。
●頭を打ったことを知らせてくれるので、吐き気などがあったらその都度病院へ連れて行くなど早めの対応ができた。
頭を打って脳のMRIとりにいったこともあった。
不注意行動への具体的な対策⑤
■問題点
靴をそろえる、パジャマを畳む、歯磨きをしっかりする、連絡帳をかいてくる、忘れ物をしない、提出物を出す、キレイな字で宿題をするなど基本的なことができない。
⇒決められたことができない。
■行った対策
●ポイント制(ごほうび制)を導入。
できたらおはじき1~3個、できなかったら-1個などと決め、10~20個たまったらごほうびと決めた。
●できて当然なのだけれど、できたらおおげさに褒めてあげる。
●貼り紙をする。
■結果
●ご褒美制や褒めることではりきってすることがあり。
●持続はしないが急に頑張ろうと意識してすることがある。
●靴を並べることについては無意識にもできるようになってきた。
●張り紙も有効と書いてあったが、張り紙が視界に入っていてもその張り紙を意識しないのでうちの場合は効果なかった。
ご褒美制はどうかと思っていましたが、最初はご褒美が目的でも次第に身についていくならいいと思いました。
2冊持っている参考書のどちらにも、「やりたいことを優先してしまうADHDの子にはごほうび制は有効」と紹介しています。
不注意行動への具体的な対策⑥
■問題点
3日に一度くらいの10問ずつの漢字小テストがあるが、毎日宿題として練習しても全く覚えておらず30点ほど。
学期末のまとめテストも30~40点
⇒適当に漢字練習をするため、テストの点が悪い。
■行った対策
●練習しただけで終わりにしない。
宿題を見せてもらった時に1問ずつ口頭で問題をだし軽くテストをする。
●熟語などは意味も分からず書いていることが多いので、意味を考えて思い出せるように、印象に残るようなヒントも出す。
ヒントの例:昼食→お「昼」に「食」べるごはんのことだよ
歩道→人が「歩」く「道」のことだよ
●軽くテストして10問正解した時にはポイント1点。
■結果
●対策をしていなかった1学期に対し、対策をするだけで100点をとってくる日もあるようになった。
●学期末のまとめテストも他の子が50点くらいの中、70点くらいとった。
●「みんなよりできたよ!」と本人も喜び、やればできるという自信ににつながっている。
●ポイント制にすることで、ただ書くだけでなく覚えようと思って集中して漢字練習するようになった。
まとめ
不注意のある子の場合、親の工夫が必要です。
いつかは自分で工夫できるといいですが、まずは親が工夫する必要があります。
本人は何か忘れたりテストで悪い点をとっても全く困っていませんでした。
そのため、失敗をもとに頑張るというのは無理でした。
「忘れないようにしなきゃ」など失敗を反省して生かすというよりは、ごほうび制などを行いて、「忘れないようにしたい!(そうしたらポイントが貯まる)」と本人の意思で思うように仕向けると効果的でした。
成功するとポイントをもらえることで意欲がでますが、できたという成功の喜びを感じることもできるようです。
その喜びが快感となりさらなる意欲にもつながっています(波はあります)。
『ご褒美で釣る』というのは私も嫌だと思ったのですが、参考書で見る限りADHDの子にはポイント制は正しい対応のようです。
ただ、ご褒美制も毎回上手くはいきませんでした。
できるだけ自分で気を付けられるように声かけをしたり環境を整えたりするのはもちろんですが、不注意で何かをなくしたり忘れたりしても勉強に支障がないように予備を用意することも必要な対策です。
失敗してしまった時、怒るのはいけないようです。
実際いくら怒っても効果がありませんでした。
もともとできないと考え、できた時に褒めてその喜びを感じてもらい、自らが頑張れるように仕向けます。
そうは言っても一筋縄ではいきませんが、その方が前向きになり一時的でも多少やる気がでます。
親も気持ちが楽になります。
最初は褒めることがなくて困るかも知れません。
でも、ごほうび制を取り入れることで頑張ってくれるので、褒めやすくなってきます。