ADHD(注意欠陥多動性障害)の子供はどの症状が強くでるかは人それぞれだが、大きく3つの症状があります。
『不注意』『多動』『衝動性』
この三つがADHDの子の症状の特徴です。
『多動』がみられない注意欠陥障害をADDと呼びます。
(ADDとは=Attention Deficit Disorderの略語)
(ADHDとは=Attention-Deficit(注意欠陥)/Hyperactivity Disorder(多動障害)の略語)
≪目次≫
1、それぞれの症状
2、現れ方の違いからみる3つのタイプ
3、いつ分かる?
4、ADHDの疑いを感じたら
1、それぞれの症状
それぞれの具体的な内容は以下の通りです。
1、不注意
●忘れ物が多い
●やりかけのまま放ってしまう
●周囲に気をとられやすい
●整理整頓が苦手
●ケガや事故が多い
2、多動
●着席できず、立ち歩く
●そわそわして、ひっきりなしに体を動かす
●おしゃべりがやめられない
●公共の場で、静かにできない
3、衝動性
●気に障ることがあると、つい反応して、乱暴してしまう
●順番が待てずに、列に割り込んでしまう
●会話の流れを考えず、思いついたまま、突然話し出す
●先生の質問が終わる前に、だしぬけに答えてしまう
2、現れ方の違いからみる三つのタイプ
上の3つの症状の現れ方の違いから3つの型に分けることができます。
それがこの3つです。
男の子か女の子かでもでやすい症状が変わってきます。
■不注意優位型
物忘れが多く、気が散りやすくぼ~っとしている。
女の子に多くあまり目立たないためADHDと気づかれにくい。
■多動性・衝動性優位型
落ち着きなく授業中も体を動かしたり立ちあがったり。
衝動性が抑えられずささいなことで手が出たり大声をあげたり。
「乱暴な子」「反抗的な子」とみられ大人から叱られやすい。
男の子に多い。全体から見ると少ない。
■混合型
ADHDの8割がこのタイプで、全ての特徴を併せ持つ。
忘れ物なくしものが多く、注意散漫で、じっとしてられず動き回る。
衝動が抑えられずルールが守れなかったり割り込みしてしまったり。
どの症状が強く出るかは個々に違う。
3、いつ分かる?
これらの症状が出ていた場合、ADHDの可能性があると疑われます。
上で紹介した通り、全部の症状がでるとは限りません。
ADHDの子ではなくても小さいころには普通に見られる症状です。
けれど、他の子に比べて出方が強かったり、大きくなってもいつまでもこの症状が続いているとやはりADHDを疑う必要があります。
多動性は2歳ごろにすでに顕著になります。
幼少期になり幼稚園に入るとさらに多動性、衝動性が目立ち始めます。
小学校に入ると自己管理能力が求められるようになるため、多動性・衝動性に加え、不注意が顕著になってきます。
ただし、不注意は小学校になってから出始めるというわけではなく、乳幼児期からそうした行動特性をもっています。
ただ、注意力や集中力を要求される場面が少ないためなかなか気が付かないことが多いのです。
目立ち始める時期は違いますが大きくなって目立ってくる特性は幼いころから持っていたということです。
参考書を読んでもいつ分かるとは書いていません。
ただ、ADHDの子に対する接し方という項目に、幼児から書いてあるので、幼児で診断がつくという場合もあるということだと思います。
いつはっきり分かるかは親がいつ病院に連れて行っていつ診断が付けられるかだと思います。
それっぽい症状があっても連れて行かなければずっと診断はつきません。
昔はADHDなんていう病名はなくて、治療もなかったわけですから、病院で診断をつけなくても生活ができないわけではありません。
ただ、環境を整えても上手く生活できなければ、病院へ行って適切な指導や治療を受けた方が、その後の生活でのトラブルも減り本人のためにも親のためにもなることがあります。
4、ADHDの疑いを感じたら
ADHDは発達障害の一種と位置付けられてはいますが、このような行動の特性は生まれつきのものであり、一種の個性のようなものです。
学校の担任の先生からもそのように説明がありました。
しかし、社会生活に大きな困難を生じていることが多いために、注意欠陥多動障害(ADHD)という診断名がつけられるようになりました。
昔からADHDの子はいたのです。
ただ診断名がなかっただけ。
1クラスに少なくとも1~2人はいます。
どこにでもいる子なのです。
発達障害の中でも、ADHDは生活上の困難が比較的少なく、一般的には通常学級で十分受け入れられます。
けれど、高機能自閉症やアスペルガー症候群などの合併障害をもっていると、通常学級では難しく特別支援学級での対応が望ましい場合もあります。
学校的に普通学級に入れるとしても、育てる親としてはとても大変です。
本人も大変な思いをすることもあるでしょう。
けれど悪いことばかりではありません。
モーツァルトもレオナルド・ダ・ビンチも坂本竜馬もADHDだったと言われています。
他の子にはない独特でユニークな発想やリーダーシップや突発的・衝動的な回路で、他の子には思いつかないすばらしいことを思いたり、実践したりすることができるのです。
できないことに固執するのではなくADHDの良い面を伸ばすことが親の役割ではないでしょうか。
私も本を読むまでは「なんでうちの子はこんなんなんだ」と悲観的に考えて子供に怒ってばかりいました。
でも、知識を深めて、ADHDなのかもと分かったら、ショックな反面、少し楽になりました。
接し方を変えることができました。
ADHDで脳の障害だから本人の努力や心構えのせいじゃないんだと思えば親である私たちも心に余裕ができて、温かい目で見守ることができます。
病院へ行って診断をつけないにしても、ADHDの可能性が高いと思ったら、子供に対する考え方や接し方を変えてみましょう。
担任の先生は、「ADHDの子じゃなくても褒めて育てることが理想」だと言っていました。
ADHDでもそうじゃなくても、子供にとって苦痛じゃなく伸ばせるのならその方法がいいはずです。
怒るのではなく褒めることを意識しましょう。
ADHDであればなおさら褒めて育てる必要があります。
ADHDの子は頑張ってもできないこともあるため、それに対して怒ることで子供は自分を否定されたと感じて望ましくない方向へ行動をエスカレートさせてしまいます。
いろいろ試したけれど難しい場合、病院を受診して診断を受ければある程度薬でコントロールすることもできます。
けれども診断は難しく、医者によってはグレーゾーンでもすぐにADHDと診断をつけてしまう先生もいるそうです(参考書より)。
薬を使わなくても大丈夫そうなら、安易に病院はいかない方がいいようです。
まずは町の保健センターなどで行っている育児相談で相談してみましょう。
市によるかもしれませんが、私の町ではいつでも行ける普通の育児相談に行ってみたら、全く知識がなかったようでなんの参考にもなりませんでした。
月2回、予約制ですが発達の専門の方との相談ができると言われ予約しました。
でもいろんな本を読んで、まずは対応を変えてみようと思い実践した結果、相談に行かなくてもとりあえず大丈夫かと思いキャンセルしました。
まずは参考書などを読むことで親が正しい知識をつけ、それから対応を考えるのがいいと思います。
●参考にした本 図解よくわかるADHD ADHD注意欠陥・多動性障害の本 |
うちの子の実際の症状・行動のまとめ