ADHDの子だけどできるだけいろんなことができるようになってほしい。
脳の障害だからとあきらめるのではなく、怒鳴って言い聞かせようとするのではなく、自分の意志でできるようになってほしい。
親がそう思ってもADHDの子にはなかなか難しいことです。
不注意が症状としてある上に、やりたいことを優先してしまうADHDの子には、やりたくない面倒なことをやろうという気持ちはないようです。
分かっているのにできない、やる気にならない、めんどくさいと感じがちなので、命令すると強く反発します。
そのため「やらなければいけない」「やるのがあたりまえでしょ」と言ったりすればやる気が下がります。
しかし、自分がやろうと思った時には、グンとやる気があがります。
ではどうしたらいいか?
ADHDの子に効果的と言われているのが
「ポイント制(ごほうび制)」
です。
「やりたくないことを、やりたいこと、喜びに感じられることに変換すればいい」
ということです。
これを実施することでうちの子もだいぶ頑張れるようになりました。
特に不注意に対して効果があるように思います。
具体的な方法、実際にポイントとした項目を紹介します。
ポイント制の実施方法
ポイント制とは、最初に決めておいた決め事ができたら1~3点ポイントと与えていき、たまったらご褒美をあげるというものです。
できることを増やし、問題点を減らしていくのが目的。
ポイントは目に見えるようにビー玉などを瓶に貯めていくなどすると効果的。
ポイントの内容
なんでもいいです。
できるようになってほしいことです。
やってほしくないことは減点とかではなく、「靴の踵を踏まなかったら1点」などプラスの方向に設定します。
本には例として、歯磨き(1ポイント)、新聞をとってくる(2ポイント)、連絡帳を書いてくる(5ポイント)などとなっています。
ごほうびリスト
毎日するようなごほうび、週に1回くらいのごほうび、数か月かかるようなごほうび。
ポイントを使ってどのご褒美をもらうか選べるようにします。
例)
毎日するようなご褒美
●好きなおやつを選ぶ 2ポイント
●ゲーム30分 10ポイント
●家族とトランプ 1ポイント
週に一回くらいの頻度のごほうび
●DVDを借りる 15ポイント
●ファーストフード店に行く 15ポイント
●カプセルガチャ1回 10ポイント
数か月にかかるようなごほうび
●アミューズメントパークへ行く 200ポイント
●新しいゲームを買う 100ポイント
実際に行った方法
細かくし過ぎると分からなくなるので、20個(20ポイント)まで貯めたらご褒美がもらえるようにしました。
けれどなかなか20個たまらないため、途中経過として10個になった時にもちょっとしたものをもらえるようにしました。
うちの場合は減点も作ってみました。
子供が欲しい物をごほうびにしました。
280mlのペットボトルにおはじきを貯めていっています。
■ポイントの内容
●連絡帳を書いてきた 1個
●忘れ物をしてこなかった 1個
●宿題をキレイな字でやった 1個
●靴を並べた 1個
●しっかり手を洗った 1個
●テスト(学校または家での確認のための漢字テスト10問)で100点 3個
●トイレに行ってしっかり手を洗う 1個
×弟が嫌がっているのにやめない -1個
×学校から電話がかかってきた、他の親から注意を受けた -3個
×同じことで続けて注意された(割と回数は緩め) -1個
などなど
×学童で宿題をやってこない -2個
■ごほうび
●おはじき10個:ビーズをスプーンでいっぱいすくえる。
●おはじき20個:妖怪メダル1枚(箱に入れた中から引く)
DSに使えるコード(キーワードやパスワード)(ネットで取得)
など
効果
普通にすれば1日で20個たまるくらい簡単な内容にしていますがこれが意外とたまりません。
生活のことはあまり気にしないようです。
ただ、学校でのこと(連絡帳、忘れ物、宿題)などは意識しているようで、帰ってくると自己申告してきます。
だいぶできるようになりました。
自己申告制にしていますが、靴を並べるなどは申告をしてこないもののできていることが多くなりました。
弟もやっているので、弟がおはじきやごほうびをもらっているのを見ると急に思い出したようにはりきりだしたりします。
あと2、3個でたまるという時には、自ら漢字テスト(10問)にチャレンジする!といいだし100点とるまで何度もやったりします。
ごほうびで釣るというのは正直抵抗がありましたが、それで子供が楽しくやるべきことを身につけていけるならいいのではないかと思いました。
ほんとに欲しい物じゃないと効果がないと思うので、子供と相談して決めるのがいいと思います。
しばらく実施してみて(追記)
妖怪メダルのごほうびでは効果が薄くなってきました。
やはり本人の意識の高まる物をごほうびにしないと難しい様子。
最近は、『パソコンでする妖怪メダランドの妖怪おみくじ神社(おみくじ形式の簡単なゲーム)を1回できる』というのもプラスしたら、また頑張り始めました。
妖怪メダルをメダランドに登録すると1回できるので、ご褒美のメダルをあげて、ゲームもさせてあげれば一石二鳥。
弟が頑張ってご褒美をゲットする自分もやる気になってるので、気が抜けてる時は弟をあおります。
また、貯まりやすくしないとやる気がなくなってしまうので、できるだけマイナスにはしないように目をつぶってます。
しかしポイント制の効果はどんどん薄れてきます。
その都度ご褒美を考えて、上手く意欲を出してもらわないと全く効果がなくなります。
中学生になった今、ゲームの時間を減らすというマイナスを行った方が気を付けるようになりました。