教育相談室で教えてもらった子供への対応
ADHDっぽかったうちの長男。
小学校の時は衝動性が強くすぐに怒ってしまい、空気も読めないためなかなか友達ができませでした。
けれども、高学年になってからは、自分でもすぐに怒ったりしないようにしようと意識し、頑張って変わることができ、中一ではたくさんの友達ができました。
変化した長男とかかわった子たちからは、
『長男君かわったよね~!昔はあんなんだったのにね』
と言われるほど。
休み時間になると、うちの子の周りにみんな集まって、6人くらいで行動し、トイレなんかも一緒に行ったり。
けれども、中学2年になり、仲の良かった友達とはだれ一人同じクラスにならず。
しかも、小学校時代に意地悪をしてきていたような性格が合わないはじけたタイプのヤンチャな子ばかりが同じクラスに。
小学校の時みたいに何か意地悪をしてきたりしてくるわけではないですが、話題が合わず、笑いのツボも合わないので、話をしてもつまらないし、無理に笑うこともできないと。
そのため、一緒にいようとも思わないので、休み時間は一人で勉強していたり、他のクラスに行っているとのことでした。
今回、このことについて町の教育相談の相談員さんにお話を聞きました。
独りぼっちなことを相談しに行ったわけではなく、担任の先生が変な人で長男が困っていたので、今後のことを考えると先生へいうべきかどうするべきかという相談で行きました。
そのついでに、
『クラスで一人ぼっちの時、親はどのような声掛けをするのが正解か』
ということも聞いてみました。
■今までしていた対応
相談に行く前日、クラスで一人でいるという話をたまたま聞いてしまった私と主人は、
『休み時間のたびに他のクラスに行ってたらいつまで経っても友達ができない』
『性格が合う人ばかりじゃないんだから少しは合わせないと』
『高校だって、会社だって、いろんな人がいるんだから性格が合う人ばかりじゃないんだよ』
『仲良くなっておかないと修学旅行とか楽しめないよ?』
などと、努力して友達を作りなさいというようなアドバイスをしていました。
ですが、長男がいうには、
『笑うところが合わないので一緒にいてもたのしくない』
『おもしろくもないのに無理に笑うことはできない』
『笑いを求められるのが嫌』
『一発芸をやってとか言われて、やらないと「つまんね~やつ」とか言われる』
『なんかやってみると、「つまんな~い、もういいや」とか言われる』
とのこと。
話を聞いていると、意地悪して一発芸をやれと言っているわけではなく、自分たちもそういうことをする子たちで、それを周りに強要し、できないと文句を言うとのこと。
勝手にやって周りを楽しませる子たちではなく、他人にも笑いを求め、できないとつまんないと言ってくる。
長男から見るとその子たちのやってることもおもしろいとは思わない上に、自分が面白いと思った話をしてもつまらないと言われるので、一緒にいても疲れるし、落ち着かないとのこと。
一緒にいたいけどいられないのではなく、一緒に居たくない様子。
私からみると、長男は割とおバカで面白ことをいうタイプで、現在も登校、下校のときなどは仲のよい子たちとわいわい外で楽しそうにしています。
ほんとにクラスの子たちと合わないだけなんだろうと感じました。
■相談員さんからのアドバイス①(友達編)
相談員の方に教えていただいたことはこんなことです。
・クラスで一人でいること自体は問題ない。
・自分がクラスの子と仲良くしたいと思っていなくて、他のクラスに自分の居場所があってそっちに行きたいなら、休み時間のたびに他のクラスにいくのは何も問題ない。行けばよい。
・グループでいる子だって、ほんとに好きでいるかどうかは分からない。一人になってしまうのが不安だから、いやいや合わせて一緒にいる子もいる。そういう子に比べたら、自分の意思を持って一人でいた方が楽だから一人でいるというのはある意味大人であると言える。
・問題なく登校できているなら問題はない。
・一人でいることが楽でそのようにしているのに、仲良くしなさいなどと親がいうと、それをストレスに感じ、学校へ行くのが苦痛になったり、不登校になったりしかねない。
・本人が問題なく学校に行けているなら、クラスで一人でいようが本人にとっては大丈夫な状態なのだから、親は見守っているだけでよい。
・友達がいないと親は心配になるでしょうけど、何も言わずに見守る。本人が苦痛に感じだしたら体調などに出てくるので、そこを見落とさないようにしっかり見守る。
相談員さんの話はそのような感じでした。
クラスに友達を作って一緒に行動できる子を作った方がいいと考えは間違えだったようです。
もし本人が悩んでいるならば、自分から相談してきたならば、それは親がアドバイスしてもいいとのこと。
でも本人が話をしてこず、学校にも普通に行けているのであれば親からは何もしない方がいいそう。
親の価値観で友達を作るようにいうことは子供を追い詰めてしまうことになりかねないそうです。
■相談員さんからのアドバイス②(先生編)
うちの子の担任は、いわゆる『はずれ先生』で、子供が時々嫌なめにあったり、ストレスを感じている様子。
でも本人は我慢してれば大丈夫といいます。
そんな時に親の取るべき対応についても同じとのことでした。
・担任のやってることは明らかにおかしいと子供は訴えてくるが、担任には言わなくていいと子供がいう。
そのような場合、本人が親に言ってくるのは話を聞いて欲しいだけ。大人でいう愚痴と同じ。
・本人が大丈夫と言っていて、実際に大丈夫に見える場合は、先生に言う必要はない。
・本人が自分で解決しようと頑張っているので、親はそれを信じて見守っているのがよい。
・そういうのを乗り越えて子供は成長するので、成長する機会だと思って親は見守る。
・大事な子供がいやな目に合っているから先生に対応を直してもらいたいのにただ見守ることしかできない親の方が苦しいですが、そこはぐっとこらえて見守る。
・こっそり先生に相談したりしてもしそれが子供に知られた場合、親は自分のこと(解決する力、我慢して上手くやる能力など)を信用していないのかと思ってしまい、親との信頼関係がなくなる。
このような感じでした。
嫌なことは大人になっても起こります。
それを全て取り去ることはできません。
子供のお手本であるはずの担任がちょっと頭のおかしい人でも、子供が我慢できる範囲であれば、子供の対応能力を育てるという意味でもそのまま見守るのがよいとのこと。
ただこれは子供が口だけで『大丈夫』と言っているのではなく、本当に大丈夫そうな場合。
本当に大丈夫か大丈夫じゃないかを見極めるのは親の役目とのことです。
■親が対応する時はどんな時
ではどうなったら親が動いた方がいいのか。
学校が嫌になって学校に行きたくないなどと言いだしてから対応するのでよいのですか?と質問すると、
『不登校は急になるものではなくまずは体調に現れるので分かりますので、その時点で対応するのがよいです』
と言われました。
子供が辛くなっているサインは、
・食欲がなくなる
・元気がなくなる
・朝起きれなくなる
・朝お腹が痛くなる
・頭が痛くなる
このような変化とのこと。
精神的な苦痛が実際に体に現れてくるので、こういう兆候が出てきた時には親が対応する必要があるとのことです。
学校に行きたくないとまでは言わなくても、このような兆候が見えたら、それは子供が強いストレスを受け、このままだと不登校になったりするサイン。
友達関係の問題なら担任に相談したり、担任の問題なら学年主任に相談したりするのがいいとのこと。
■町の教育相談所とは
今回初めて相談に行った教育相談所は、誰でも無料で相談できる市の機関でした。
インターネットで見つけました。
子育て相談や育児相談とは別です。
子育て相談などは幼児などの小さい子の子供自身の問題と育児についての相談で、保健センターや保育所などで行れます。
ですが、教育相談は、勉強や担任のこと、友達関係(いじめ)、進路、発育、などで、主に小学生以降の学校関係の問題が主のようです。
親だけでなく、子供が相談に行ける場所です。
うちの市の場合、相談場所が市民体育館の上にある小さな個室でした。
その中には子供の机といすが教室のように並んでおり、日によって学校適応指導教室が行われているとのこと。
不登校の子が通ってきたりするようです。
電話相談やメール相談もできましたが、予約して直接行きました。
9時半頃電話をすると、午後なら空いているとのことでその日の午後に相談することができました。
相談員さんは学校の先生のことをよく知っていました。
うちの担任は今年移動してきたばかりなので分からないとのことでしたが、元からいる先生はほとんど分かるとのこと。
担任に問題があるけどどのように対応したらいいかと相談に言った場合でも、先生の名前をいえばその先生に直接いうべきか、その先生は言ってもダメな部類の人なので上に相談した方がいいか適切なアドバイスをいただけると思います。
うちの場合も、
『担任の先生は話をすれば分かってくれそうな先生ですか?もし無理そうな先生でも、学年主任の○○先生はとてもしっかりしていて親身に対応してくれる先生なので、○○先生に相談すれば大丈夫です』
とアドバイスをいただけました。
子供だけでなく、親の心配する気持ちにも寄り添ってくれて、親の心の重荷も取り去ってくれます。
相談員さんも人間なので、変な人もいるかも知れませんが、もし子供のことで悩んでいたら相談してみるとよいと思います。
以前保健センターでやっている育児相談に行った時は全くダメでした。
相談を聞いてくれた方は子育てしたことがないだろうなという若い人で、ADHDなどの知識もなく全く話になりませんでした。
今回は年配の女性二人で、とても落ち着いた雰囲気で親身な対応でとても安心しました。
電話相談やメール相談だと相手の様子が分からず、適切なアドバイスをくれそうな方かも分からないので、できれば直接合って話した方がよいように思います。